実は、この行方不明の家族の介護保険料という問題について、国(厚生労働省)が2026年9月、新しい取り扱いを示しました。条件によっては保険料が減免されたり、全額免除になったり、払いすぎた分が返ってくる可能性があります。この記事では、なぜ払い続けることになってしまうのか、そして今回どんな救済の道が示されたのかを、当事者のご家族の目線でやさしく整理します。
65歳以上の方(介護保険では「第1号被保険者」と呼びます)は、市区町村に住所がある限り、介護保険料を納める義務があります。そして、この資格は「その市区町村に住所がなくなった日の翌日」から失われる仕組みです。
ここが、行方不明のご家庭を悩ませてきたポイントです。行方が分からなくなっても、住民票がすぐに消えるわけではありません。住民票の消除には時間がかかることが多く、その手続きが終わるまでは制度上「住所がある」状態が続くため、保険料の納付書が届き続けてしまうのです。
⚠ ここが大切:家族の負担になりやすい
介護をしていた家族にとって、本人の行方が分からないだけでも大きな心労です。そのうえ「いつ終わるとも分からない保険料」を払い続けるのは、金銭的にも精神的にも重い負担になります。今回の国の動きは、まさにこの負担を軽くするためのものです。
厚生労働省は2026年9月8日、行方不明になった第1号被保険者について、保険料の減免・返還などの取り扱いを整理した事務連絡(介護保険最新情報 Vol.1541)を、全国の自治体に向けて出しました。ポイントは3つです。
住民票の消除に時間がかかることを踏まえ、家族の負担に配慮して、行方不明の方の保険料を市区町村が減免してもよい、という考え方が示されました。介護保険法に定められた減免の仕組みを活用するものです。
後に「失踪宣告」などで過去にさかのぼって亡くなっていたとみなされた場合、亡くなったとされる日の翌日以降の保険料は、そもそも請求できないものになります。これを踏まえ、国は全額免除としても差し支えないとの認識を示しました。
上記のように過去にさかのぼって死亡とみなされた場合、その期間にすでに納めた保険料は、市区町村が受け取りすぎたお金(不当利得)となり、返還する義務が生じるとされました。つまり、条件が整えば払った分が戻ってくる可能性があります。
まず知っておきたいのは、これは「必ずこうなる」と全国で一律に決まったものではなく、国が各市区町村に対して「こう取り扱ってよい」「検討してほしい」と示したものだという点です。実際にどう運用されるかは、お住まいの市区町村によって異なります。だからこそ、まずは自治体の窓口に相談することが第一歩になります。
窓口に相談するときのポイント
「こんなこと相談していいのだろうか」とためらう必要はありません。国が家族の負担を減らそうと動いた案件です。該当しそうな場合は、遠慮なく窓口で確認してみてください。
この記事のまとめ
大切なご家族が行方不明になるというつらい状況で、せめて手続き上の負担だけでも軽くなるように、という国の判断です。同じ悩みを抱えるご家庭の一助になればと思います。
※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。記事内の減免・免除・返還の取り扱いは、国が各市区町村に示した考え方であり、実際の運用や必要書類は自治体によって異なります。具体的な手続きやご家庭の状況については、お住まいの市区町村の窓口や専門家にご相談ください。
※掲載情報は執筆時点のものです。制度・運用は改定される場合がありますので、最新情報は各機関の公式サイトや自治体窓口でご確認ください。