高齢化が進む日本で、実は今、この「移動の悩み」がとても深刻になっています。
足腰が弱った親御さんを自家用車に乗せるのは重労働ですし、もし転倒させてしまったら…と考えると不安ですよね。
だからこそ、プロが安全に運んでくれる「介護タクシー」が注目されているのですが、ここで一つ大きな壁があります。
それは「介護タクシー料金」が高い、ということです。
「安全はお金で買うべき」とは言っても、毎月の通院となると家計を圧迫してしまいます。
そこで今回は、通院などの移動に欠かせない「介護タクシー」を国の制度をフル活用して少しでも「料金」をお得に、賢く利用する方法についてお話しします。
介護タクシーをお得に乗るための正解は、以下の3点です。
1,介護保険の「通院等乗降介助」を利用する
2,自治体の「福祉タクシー券」や「障害者割引」を使う
3,「医療費控除」で確定申告をする
これらは全て公的な制度ですが、申請しないと適用されません。
知っているか知らないかで、年間数万円以上の差が出ることもあります。
なぜこんなに差が出るのか、その理由と具体的な方法をお話しします。
介護タクシーは、ドライバーさんの「介助料」や、車いすなどの「機材レンタル代」が運賃に上乗せされるため、通常のタクシーよりも高額になりがちです。
しかし、国や自治体の制度を正しく使えば、その費用負担を抑えることが可能です。
まず一つ目の方法は、介護保険を使うことです。
正式には「通院等乗降介助(つういんとう・じょうこうかいじょ)」というサービスを利用して、実質の介護タクシー料金負担を減らします。
このサービスを利用するには、以下の条件が必要です。
・要介護1以上であること(※要支援の方は対象外です)
・ケアプランに組み込まれていること
・利用目的が「通院」や「選挙投票」「役所への届出」等であること(※買い物や旅行には使えません)
要支援の方や、単なる外出には使えませんのでご注意ください。
まずはケアマネジャーに「通院等乗降介助を使いたい」と相談してみましょう。
二つ目は、お住まいの自治体の制度をフル活用して介護タクシー料金の助成を受けることです。
大きく分けて2つの割引があります。
身体障害者手帳や療育手帳をお持ちの方は、乗車の際に手帳を提示することでタクシー運賃が1割引になります。
これは多くのタクシー事業者が導入している制度です。
多くの自治体では、要介護者や障害者向けに「福祉タクシー利用券」(タクシー代の一部を補助するチケット)を交付しています。
対象者や金額は市区町村によって異なりますが、①の障害者割引と併用できる場合が多いです。
お住まいの市役所・区役所の「高齢福祉課」や「障害福祉課」で、交付対象かどうかを必ず確認してください。
最後、三つ目は「医療費控除」です。
その場での支払いが安くなるわけではありませんが、年間の税金を減らすことで実質的な負担を軽くできます。
国税庁の規定により、「病状などにより通常の交通機関を利用するのが困難な場合」の通院にかかったタクシー代は医療費控除の対象として認められています。
介護タクシーを利用される方はこの条件に当てはまるケースがほとんどです。
領収書の余白に「〇〇病院への通院」とメモしておくと、確定申告の際にスムーズです。 国税庁 タックスアンサー No.1122「医療費控除の対象となる医療費」
今回は、介護タクシー料金の負担を減らすための3つの公的制度をご紹介しました。
ケアマネジャーに相談して「通院等乗降介助」を使う
自治体窓口で「福祉タクシー券」をもらう
領収書を保管して「医療費控除」を申告する
介護は長く続くものです。
だからこそ、使える制度は賢く使って経済的な負担を少しでも減らしてくださいね。